「乙女なげやり」 三浦しをん

乙女なげやり
いや〜、面白い! 風呂に入りながら読んでいて声を出して笑ってしまったことも・・・
彼女自身も自分を冷静に見ていて面白いのだが、まわりのお友だちもさらにおもろい。
自分の彼にボーイズラブの教育を施し、最近は「松井とイチローの直接対決」という字を見て「うぉ、驚いたぁ!一瞬、松井とイチローがそういう関係になったのかと思った。ああー、エグいことを考えてしまった。それでいくと松井が攻めなのか」と言うまでに成長させ、「なに馬鹿なことを言ってんのよ。その二人ならイチローが攻めに決まってるでしょ」と普通にいうぜんちゃん。(ちなみに女性の兄弟がいる男の子の方が交際するのに大きなポイントらしい) 大好きなバクチクのコンサートのあと反芻会(今見たライブを思い起こしてうっとりする会)を一緒にするYちゃん。 漫画「アラベスク」についての漫画読書会をコーヒーショップで5時間半語り合うあんちゃん。30キロくらいある教科書で勉強しまくり宝石鑑定師になった高校時代の友人。書ききれないほどいろいろと面白い人々がでてくる。

それ以外に気になったのは、「苦髪楽爪」苦労をしていると髪は伸び、楽をしているを爪がのびるらしいのだ。初めて聞いた。本当だろうか?

「ジャニーズのアイドルがわりと背が低い人が多いのは、体の全エネルギーを顔に集中させているから」っていう独自の理論を説明するNちゃん。そうでも考えなきゃ、忙しいのにあんなに顔のお肌がツルッツルな説明がつかないらしい。長瀬君のお肌がときどき壊滅的に荒れているのは全エネルギーを顔に傾注すべきなのに、法則を破って背に回してしまったが故なのだというのは説得力あるわ〜。

高収入で顔もよく、人格にも問題ないと周囲が太鼓判を押すのに彼女がいない男たちについてその理由を分析するIちゃん。彼らは自分が現実ではありえないほど理想が高いことに気づいていないかららしい。口では彼女がほしいと言っていても、自分が堅固な鎧をまとっていることに気づかないうちは無理。そのかたくなな心を溶かすには「ドジッ子作戦」。昔の少女漫画の王道のようにキュートな魅力とドジぶり隙を見せ、「私ったら完璧じゃないんです。だからあなたも肩肘張らなくていいのよ」となごます。その後またちょっと妙な方向に会話が進んでいくのだが意外にいけるかもと思ったりして。