「泣かない 女はいない」長嶋有

泣かない女はいない
なんてことはない日常を切り取ったお話といった感じか。

本社を左遷させられた人ばかりの子会社に勤める睦美は、毎日代わり映えのしない日々を送る。大宮にあるその会社は、のんびりとした雰囲気の職場だったが、長く勤めたおばさんがリストラされたり、他の会社に吸収合併されたりしてたちまちキリキリとした状態になる。
そんな中一緒に同棲する恋人がいるのに、同じ会社の人を好きになり、睦美は本人に告白する前に同棲する恋人に先にそのことを打ち明ける。その恋の行方は・・・

「センスなし」は聖飢魔Ⅱ好きの保子と学生時代から友人のみどり。保子の夫は浮気をしておりたまにしか家に戻ってこない。みどりは母親一人で子供を育てている。彼らの日常を聖飢魔Ⅱを絡めながら、淡々と描く。若い人との感覚のずれみたいなものが上手く描かれている。そういえば前の会社ですごく聖飢魔Ⅱが好きな女性の先輩がいたな〜。