映画「ギフテッド」

 

 天才数学者の母が自殺をして叔父とくらすメアリー。

彼女も数学のたぐいまれなる才能があることがわかり

普通の人の暮らしをさせたい叔父と才能を伸ばす教育を

したい祖母が争うことになり・・

 

メアリーの叔父はボストンの大学教授だったが、今はしがない

ボート修理屋をやって気ままに暮らす。

近所は黒人が多く、母と裁判になっても白人の弁護士を

雇うこともできない。

母は権力の権化で才能と名声をずっと求めている。

母のプレッシャーに押しつぶされたともいえる姉の様子を見ていた彼は

メアリーには数学だけではなく普通の生活もできるバランスのとれた

人になってほしいと思っている。

近所の仲良しの黒人のおばちゃんはHidden Figureにでていたおばちゃんだ。

メアリーとテレビを見ながらノリノリで歌を二人で熱唱するシーンは

やはり黒人はリズム感が違う。

メアリーがとにかくかわいい。そして睫毛が馬のように密集していて長い、

彼女のすごいところは無邪気に叔父に絡みついたりじゃれる

シーンがすごく自然で、無遠慮なほどに足でけったりするのがほほえましい。

でも才能がある人はそれを生かす責任があるよなと思いつつ

明るさの残る終わりになっている。

それにしてもフランクは母親のことをイブリンと名前で呼んでいたが実の母親では

ないの?

 

「司馬遼太郎の風景6 NHK「街道をゆく」プロジェクト」

 

 てっきり司馬遼太郎の「街道をゆく」かと思って読んだら

その取材風景の描写だった。

奥州白川・会津のみちを特集している。

幕末や戊辰戦争後の会津の人々のことも描いている。

城内で戦死した藩士たちを新政府は埋葬はおろか手を触れることを許さず

放置させられたことが会津人の心にとげのように刺さって

長いこと恨みに思っていたという話を聞いたことがあり、

あまりにひどいと思っていたが、他の話として事実では

なかったと聞いている。

でもそれだけ広く広まっているということはそれなりに

その噂になるもとのことがあったのだろう。

 

今度は司馬遼太郎の本を読みたい。

 

「ルーベンス展 バロックの誕生」 国立西洋美術館

f:id:dji:20181221151304j:image

「王の画家にして画家の王」というタイトルのついた本展。

 

ルーベンスは語学も堪能で工房経営や外交交渉にも

才能を発揮したというのが意外だった。

下絵のようなものを描き、弟子や工房のチームが作品を

描いていたので量産できたそうだが、当時は当たり前だったのだろうか?

 

裸体が描かれているものも多かったが、当時はギリシャ彫刻を

お手本として描いていたため体毛が描かれずつるつると

この前の日曜美術館で言っていたがまさにその通りだった。

 

宗教画が多いのだが、そのテーマでも妙に色っぽいものもあり

どきっとさせられる。

ムンク展 東京都美術館

f:id:dji:20181207231527j:image

上野で他の美術館に行くつもりだったのが

アトレでやたらとムンク展の広告を見ていたら見たくなり

急遽そっちに行くことにした。

 

銀杏の木がきれいな黄色に色付いており、

いちょう並木のセレナーデを心の中で歌いながら歩いて行く。

 

日曜美術館で特集があった時に見たのだろうが、叫び以外にも

見たことのある絵が多々あった。

さして期待はしていなかったのだが、思ったよりも面白い。

薄暗いフロアに飾ってあった叫びはさすがの迫力で面白かったのだが

それ以外にも興味深い絵がたくさんあったし楽しめた。

版画やリトグラフもたくさんあって、どちらかというと

色彩の多い絵よりも白黒のこれらのものが好きだった。

 

怪しげなマドンナやクリムトの作品を思い出すキスもよかった。

 

最初にベルリンでの個展で塗り残しのある稚拙な絵だとさんざんな

評判だったらしいが、見ているとたしかに塗り残しが気になる。

キャンバスの絵具が少なめでそれが気になった。

がっつり塗ってあるものが好きなのね私。

 

小さな子供の頃の家族写真もあったが金持ちの子供らしいものだった。

途中所々に彼の写真も展示されているのだが、いちいちカッコいい写真だった。

 

もう少しだけ空いていたらなおよかったが、満足度の高い展覧会だった。

「葵の残葉」 奥山景布子

 

葵の残葉

葵の残葉

 

 高須4兄弟を描いた本で、退屈な時代ものかと思ったが

面白かった。

 

高須の長兄慶勝が主役でストーリーテラーになっている。

人当たりのいい茂栄、そして容保、容保と一緒に京都で

所司代を務めた定敬の4兄弟の幕末、明治の日々を描く。

慶勝が御三家にかかわらず新政府側だったのが

不思議に思っていたが読んでいたら流れがわかる。

 

徳川方にとってはどちらについても大変だったのだ。

 

それぞれの気質も描かれていて、とにかく容保は実直、

定敬は意外にもいろいろなことに興味を持ち好奇心旺盛で

明治になっても活発に動こうとしていた。

 

それにしても当時はあちこちに養子縁組があり、婚姻があり

どこにいってもだれかしか親戚といった感じだ。

 

兄弟たちはそれぞれ尾張様、一ツ橋様(茂栄は一ツ橋家に)、

会津様などと呼び合っていたようだ。

尾張様は大納言と呼ばれ、城内では御前と呼ばれていたようだが

尾張を次いだ人は大納言の地位になるのだろうか?

以前に読んだ山田風太郎の本でも尾張の大納言が出てきたな~。

 

幕末本を続けて読んでみたくなった。

映画 ボヘミアン・ラプソディー TOHO CINEMAS 新宿

クイーンのファンというわけでもなかったのだが

ネットでも評判で見たくなった。

最初はこんな映画はファンしか見ないだろうと

思っていたのだが・・

 

はっきり言ってとても面白い。

ずっと音楽も流れているのでそれも楽しい。

 

私にとってフレディは亡くなる前のゲイゲイしい見た目の時だったから

若い時のちょっとミック・ジャガーっぽいのは新鮮。

そして彼がインド系ルーツなのも意外だった。

イギリスでは何かにつけてはパキと言われて差別され

その都度自分はパキではないと言っていた彼。

父親は教育熱心で厳格で、フレディも子供の頃はboarding schoolに

通っておりピアノが弾けてオペラも好きなんてなかなか

教養があったようだ。

家族がゾロアスター教とか歴史の教科書でしか見たことないが

割と最近でもいるのだろうか?

 

作曲もピアノを使っており歌声も美しくフレディってこんなに

美しい声の持ち主だったのかと驚く。

ピアノが印象的な曲がおおい。

スタイルがゲイらしく色気がある。

ソウルメイトのような女性が出てきたが本当に彼女のような

友人がいたとしたら彼のためによかったと思う。

 

ライブエイドのシーンがまず最初に少し出てくるのだが

その際にボウイがちらと映って嬉しい。

クイーンが出てくるところもあんなに大きなスタジアムとお客さんで

見ているだけでもテンション上がってしまう。圧巻だ。

紹介でher majesty’s queens なんて言われていて場所が場所だけに

本物の女王と思われたりしてと勝手に心配。

 

音楽にあふれなかなかドラマチックでとても楽しめた。

実際のライブエイドの映像が見たくなり、you tubeで見てみたが

まさに映画そっくりで驚く。

 

クイーンってやはりヒット曲多かったな。

 

 

 

 

 

 

 

 

「女の七つの大罪」 林真理子 小島慶子

 

女の七つの大罪

女の七つの大罪

 

 林真理子小島慶子の対談集。

ふたりとも大人なので面白い。

ポリコレだったり毒があったり・・

オーストラリアに家族を残して出稼ぎにくる小島慶子は40代になって

いつ突然死が訪れるかわからないので部屋をきれいにしようと思うと

言っていてギクッとする私。

私ことこの汚部屋では死んでも死にきれない。

なんとかしなければ!